
ナチュラリズムの源流「ポストクラシカル」を生み出したアーティストたち。
その魅力を知るためにも、まずは「ポストクラシカル」の歴史をまとめてみたい。ポストクラシカルとは、長くアレンジャー/コンポーザーとして活躍し、02年にソロ・デビューを果たしたマックス・リヒターが自分の音楽に使い始めた造語と言われていて、スティーヴ・ライヒやテリー・ライリーなどアメリカの現代音楽家/ミニマリズムに影響を受けた彼が、ミニマルなエレクトロニック・ミュージックやアンビエント(環境音楽)をクラシックに加えて編み出したものが最初のきっかけのひとつだった。 彼がソロ・デビューした02年は、ポストロックの時代を経て、ミル・プラトーのコンピ・シリーズなどで広まったグリッチやクリックを多用したベッドルーム・エレクトロニカの全盛期。レディオヘッドの『Kid A』もこうした音楽の流れを汲むものだった。そこにクラシックの側から呼応する形で登場したことが、「ポストクラシカル」という名前に繋がった部分もあるのだろう。 Steve Reich - Music for 18 Musicians farben - Raute 以降もポストクラシカル的なアーティストは続々登場。ドイツのハウシュカことフォルカー・ベルテルマンやアメリカのニコ・ミューリー、アイスランドのヨハン・ヨハンソンらがクラシックからエレクトロニカのリスナーを横断する形で人気を集めた。近年印象的だったのは、アイスランドのオーラヴル・アルナルズのブレイク。彼の2013年作『For Now I am Winter』にはニコ・ミューリーが参加してオーケストラ・アレンジなどを手掛けている。 Hauschka - Agdam Ólafur Arnalds - For Now I am Winter ft. Arnór Dan 次ページ同時代のインディ・アーティストたちと手を取り合った00年代の躍進※このコンテンツは「Qetic - qetic.jp」で公開されている記事のフィードです。
オリジナル記事: レディオヘッド、アーケイド・ファイアらとも共振?ポストクラシカルが源流、癒しの音楽「ナチュラリズム」の音響美
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