

Interview:並河一則
ありがとう。こうやって自分から動いてみて思ったのは、行動すればいろいろな人とつながっていくということ。本来は誰でもいろいろな人とつながってはいる、だけどそれってしっかり引っ張り合わないと共鳴しないんですよね。それがいまのデジタルの時代の付き合い方の特徴なのかもしれない。 これまでもFacebookを見てくれて、「いろんな活動してるよね」とか「いろいろ飛び回ってるよね」とか言ってくれることは多かった。FacebookとかInstagramとかSNSはたくさんあるけど、それだけでは人と人とはつながれない。Messengerでメッセージを送ったり、一番いいのは会って会話した時に初めて“温度”が生まれる。 実際、電話じゃないと連絡が付かない人とか、現地に行って打ち合わせをしないとダメな人はいて。いまの時代はアナログとデジタルがものすごく両極端に存在しているように感じます。 ――そのあたりの時代の変化は、気づいている人は気づいているようにも思います。「たかがSNS、されどSNS」ではないですが、付き合い方、発信の仕方をわかっているかどうか、人によって顕著に現れているような気がします。 やっぱり……何をもって自分を表現しているのかが明確な人は、SNSで更新する内容とかも、心に響くようにつくられている。自分がやっていることを無作為にUPするのは僕も得意ではないので、できるだけ仕事とプライベートのちょうどいいバランスを取りたいとは思っています。 ただ、いま取り組んでいる「むすぶ」の活動に関してはFacebookを使って告知をしているんですが、それはそれで思った以上の反響はあって。いまの時代はこういう発信の仕方もできるんだなと実感しました。 ――「むすぶ」はどういうキッカケで始まったんですか。 上田まりえさんっていう元アナウンサーで、いまはタレントとして活動している方がいるんですが、たまたま紹介で彼女と知り合って名刺とかグッズをつくるお話をいただき、打ち合わせをしたんです。そこで上田さんが熊本で復興支援の活動をしていることを知りました。 上田さんはある時、同じく復興支援をしているサッカー選手の巻誠一郎さん(熊本県出身、現J2ロアッソ熊本所属)に会って、巻さんからの地元のパン屋の話を聞いたそうなんです。「古木家」さんっていうパン屋なんですが、そこは添加物を入れないでつくるパンで有名で、巻さんはお子さんがアレルギー持ちらしいのですが、そこのお店で初めてパンを食べられるようになったと。 そこから巻さんと古木家さんとの関わりが深くなって、アスリートの体調をケアするコラボパンを開発したんですが、その発売のタイミングで震災があったそうです。


